インテリアセンスの原点。

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    株式会社EL JEWEL(エルジュエル)社長、森みどりでございます。

    以前、何回かの取材の際にも答えたことがあるのですが、わたくしはこの仕事を始めるまで、
    インテリアの仕事に携わったことがありません。
    それでも、自分の中に確固たるインテリアセンスが備わっていることに気づいたのは、
    EL JEWELを設立してからでした。

    わたくしのインテリアセンスがいつ培われたのか、過去を振り返ってもまったく思い当たる節が
    なかったのですが、昨年パリ出張の際、ルーブル美術館と同じ敷地内に併設されている
    MUSEE DES ARTS DECORATIFS(装飾芸術美術館)に伺ったとき、ようやくその理由が分かりました。

    わたくしの亡くなった祖父は資産家で、自宅は建築当時、モデルルームとして紹介されるほどだったと
    聞いたのは、祖父が亡くなる直前でした。
    私は幼少期の一時期を祖父の家で育ち、長じても週に1〜2回は通っていたのです。

    祖父の家がどなたの設計だったのかはもう知る術はありませんが、わたくしは祖父が手塩に掛けて
    育んでいた美しい庭や、テラスのタイル、壁や床の質感や色使い、シンプルなデザインの家具を見るのが好きでした。

    パリの装飾芸術美術館で、アールデコ様式のフロアに入った瞬間、わたくしは何とも言えない懐かしい感じがし、
    見ているうちに、それが祖父の家にとても似ていることに気づきました。
    展示されている家具類も、祖父の家にあったものとそっくり!
    どうやら祖父の家は、時代としては最先端の、アールデコ様式で造られていたようです。

    いま思えば、祖父もかなりのセンスを持っていた人で、アールデコの家に純和風の庭をしつらえて、
    それを見事に調和させる腕前っ!
    楓や紅葉などの落葉樹、金木犀や沈丁花などの低木、盆栽の一つ一つや、飛び石の縁の苔にいたるまで、
    四季折々において変わる表情を楽しめるよう、祖父のセンスが光っており、
    わたくしは玄関から広間を抜けて庭に面した大きな窓から見える、絵のように美しい庭がとても好きでした。

    祖父は明治生まれの頑固で口数が少ない人で、おてんばだった幼い私はよく叱られたので、
    祖父のことが怖くて大人になるまでほとんど話もしたことがありませんでしたが、
    その祖父の造り上げてきた家と庭が、私のインテリアセンスの原点だったのだと、ようやく気づきました。

    祖父はわたくしが21歳の時に亡くなりましたが、19歳の時、思い切って進路の相談をしたことがあり、
    そのときの真面目で思いやりのある言葉が、祖父との唯一の対話らしい対話となりました。
    もっと祖父といろいろ話せていたら、庭作りやインテリアセンスのことも、もっと学べたかもしれません。
    ただ今は、わたくしにインテリアセンスという魔法の杖を与えてくれた祖父に、深く感謝しています。

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